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ビタミンB12

発見の歴史

1929年アメリカのキャッスルらは悪性貧血の患者に牛乳と、健康な人の胃液を与えると直りがよいことを報告し、悪性貧血は牛乳に含まれる「外因子」と胃液に含まれる「内因子」が結合し、吸収されることを発表しました。
外因子は1948年アメリカのフォルカースによって、葉酸とは異なる悪性貧血予防因子として結晶が分離されビタミンB12と命名されました。
ビタミンB12は13種類のビタミンの中で分子量が最も大きく、構造もきわめて複雑で、1955年にX線結晶解析法を用いて化学構造が解明されました。この構造を解明したのがアメリカのホジキンで、後にノーベル化学賞を授与されています。
一方内因子は、胃粘膜から分泌される分子量5~6万の糖タンパク質で、食品から摂取したビタミンB12はこの内因子と胃の中で結合し小腸(回腸)から吸収されることが後に解明されています。
化学名

コバラミンと呼ばれています。この物質は中心に金属のコバルトを含むもので、結晶はきれいな赤色を帯び、発見当時は「赤いビタミン」として、有名になりました。
注目されるや栗作用

ビタミンB12は「ミラクルビタミン」ともいわれ、根拠は未解明な部分が多いものの意外な効用が次々と見つかっています。ひとつは、人は本来、睡眠サイクルが25時間なのを環境に合わせて24時間にしているのですが、この睡眠サイクルが破綻した人にビタミンB12を与えると本来の睡眠サイクルがよくなります。また、認知症が改善した、精子の能力が回復したなどという報告もされています。脳の集中力を高めたり、末梢神経に働きかけて肩こりや腰痛なども軽減してくれます。
主な生理作用

ビタミンB12は体内ではメチルB12とアデノシルB12に変換され、補酵素として貧血の予防や改善をするほか、脳や神経の健康に対しても重要な役割を果たしています。
一日の所要量は?

所要量は定められていませんが、推奨量として成人男女ともに1日2.4μgといわれています。
過剰症は?

報告されていません。B12はコバルトを含む有機金属化合物ですが、取りすぎても排泄されるので害はありません。
欠乏症は?

典型的なビタミンB12の欠乏症は、赤血球の生産に異常をきたす巨赤芽球性貧血(悪性貧血)です。悪性貧血は葉酸が欠乏してもビタミンB12が欠乏しても起こる病気です。ただし、水溶性ビタミンの中で唯一体内に蓄えることができるビタミンで、このビタミンの摂取を怠ったとしても症状が現れるまでに1年~2年ほどかかり、きわめてゆっくりと症状が現れるのが特徴です。これは、肝臓に2~5㎎ほど貯蔵されており、毎日μg単位のビタミンB12を消費しても尽きるまでに長時間かかるためです。
欠乏症は先の悪性貧血や、全身の疲れや倦怠感、睡眠障害、触覚・痛覚・温覚の障害、進行すると動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞を起こすホモシステイン血症などがあります。
B12を多く含む食品は?

魚や貝、肉、卵、牛乳、乳製品などの動物性食品に多く含まれ、植物性食品にはほとんど含まれていないのがこのビタミンの特徴です。ただし、このビタミンは微生物の働きでも合成されますので、植物性食品でも納豆、味噌、しょうゆなどの発酵食品には含まれています。
サンマ一尾で約7μgのビタミンB12を含んでいるので比較的取りやすいビタミンといえますが、ベジタリアン(菜食主義者)は、不足するビタミンです。また、手術で胃を切除した人(体内への吸収に胃液に含まれる糖タンパクとの結合が必要なため)や小腸(回腸)を切除した人(ビタミンB12の吸収する場所が小腸(回腸)であるため)、あるいは胃粘膜に障害がある人はうまく吸収できないので欠乏する可能性があります。
一日の推奨量2μgを食品で摂取するには、海苔1枚(2g)、すじこ一口大(4g)、たらこ1/3腹(11g)、牡蠣1粒(5g)、マグロ刺身5~6切れ(87g)、牛乳1ℓ、卵4~5個など。

         

ビタミン類

ビタミンとは人の体で作り出すことができない物質で、健康の維持には欠かすことのできない微量栄養素です。ビタミンは、体内のさまざまな代謝にかかわり、生体の機能を正常に保つために重要な栄養素です。
ビタミンは、ビタミンB群やCなどの水溶性ビタミンと、ビタミンA、D、K、Eの脂溶性ビタミンに分けられます。
ビタミンの働きとして従来より、代謝調整作用や補酵素作用が知られていますが、各種がんの発生予防や老化を防ぐ機能など最近注目の機能も研究により明らかにされてきています。健康を維持増進してゆくためにビタミンの作用を知って、生活に積極的に取り入れてゆくようにしましょう。

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