葉酸
| 発見の歴史 |
1944年アメリカのスネルらによって肝臓に含まれる悪性貧血予防因子(ビタミンM)がほうれん草にも含まれることを報告し、葉酸と命名しました。
| 化学名 |
プテロイルグルタミン酸(PGA)と呼ばれています。
| 注目される薬理作用 |
ホモシステインという含硫アミノ酸の血中濃度が上昇すると、心臓病のリスクが高まることが知られています。葉酸はビタミンB12とともに、ホモシステインから別のアミノ酸であるメチオニンの合成を促進させますので、ホモシステインの血中濃度を抑えて、心臓病の予防効果が期待できるといわれています。また、遺伝子情報を載せたDNAを構成する核酸の成分合成にも葉酸がかかわっており、不足すれば細胞の分裂や成長が阻害されるため、特に細胞分裂の活発な胎児には大きな影響が生じるため、アメリカでは妊娠を予定しているあるいは妊娠している女性には葉酸を強化した食事を摂るように推奨されています。
| 主な生理作用 |
細胞の遺伝情報が詰まっているDNAは核酸でできています。その核酸の成分となるプリン核やピリミジン核の合成などに働く酵素を、葉酸は補酵素として助けています。
| 一日の所要量は? |
定められていません。推奨量は成人男女とも1日240μg、妊婦は+200μgとされています。
| 過剰症は? |
過剰症は報告されていませんが、まれにとりすぎた場合に発熱、じんましんなどが見られることがあります。
| 欠乏症は? |
成人の体内では毎日、古くなった赤血球が壊され、新たに骨髄で作られています。葉酸欠乏では赤血球細胞のもとになる骨髄の赤芽球の生産に影響しやすく、巨大な赤芽球が増えて正常な赤血球が減少する巨赤芽球性貧血(悪性貧血)が起こります。
妊娠中の女性は葉酸の体内需要が高まり、またピル服用中の女性は腸管から葉酸の吸収が悪くなるので意識しないと不足気味になり胎児に影響が及びます。
また、メトトレキセレートという抗がん剤は代表的な葉酸拮抗物質で、核酸の合成を阻害することによりがん細胞の増殖を阻止します。葉酸欠乏と引き換えにがん細胞をたたく、毒をもって毒を制する薬といえます。
そのほかの症状としては、動悸や息切れ、集中力減退、全身の倦怠感、舌が赤くなる舌炎、口内炎、脱毛、食欲不振、胃や十二指腸の潰瘍、白血球の減少などがあり、いずれも造血器脳や細胞分裂の障害によるものと考えられます。
| 葉酸を多く含む食品は? |
レバー、豆類、野菜などに含まれます。ほうれん草から発見されたビタミンですが、ほうれん草よりキャベツのほうがやや多く含まれています。
一日の推奨量を食品でとるとしたら、牛レバー3切れ(67g)、ほうれん草3わ(670g)、グリーンアスパラガス9本(183g)、キャベツ千切り15人分(619g)、大豆350粒(91g)など。

