パントテン酸
| 発見の歴史 |
1901年アメリカのウィルディアスは酵母の成長因子を発見し「ビオス」と名づけました。その後同じくアメリカのR・L・ウイリアムスはビオスが複数の物質からなることを明らかにし、このうち生物が広く利用している酸性の因子を多くの食品に含まれていることから「いたるところに」という意味のギリシャ語にちなんで「パントテン酸」と命名しました。
| 化学名 |
パントテン酸が化学名です。体内でパントテン酸に変わる誘導体としてパンテノールというものもあります。
| 注目される薬理作用 |
パントテン酸の投与で悪玉コレステロールが減少し善玉コレステロールが増加したり、関節リウマチがひどい患者ほどパントテン酸の血中濃度が低かったという報告がありましたが、いずれも科学的根拠は証明されていません。
やけどの治療にパンテノールを含む軟膏が用いられてきましたが、最近では紫外線による皮膚の炎症(日焼け)を防ぐパンテノール軟膏の効果が注目されています。
| 主な生理作用 |
パントテン酸は体内では、アセチル化を行う酵素の補酵素であるコエンザイムA(CoA)の構成成分として存在します。CoAは脂質、糖、アミノ酸の代謝や、コレステロール、アセチルコリン(神経組織の神経伝達物質)、抗体、ホルモンなどの合成に関与しています。
つまり、CoAが作用する影にはパントテン酸があるわけで、体をつくる3大栄養素の働きを助けるのはもちろん、免疫力や自律神経の働きを高めたり、最近増えている化学物質などの有害物を解毒するなどの重要な働きもしています。
| 過剰症は? |
報告されていません。
| 欠乏症は? |
パントテン酸は生物が普遍的に利用しているビタミンで、ありとあらゆる食物に含まれています。したがって、栄養状態が極端に悪くならない限り欠乏症は起きないといえます。第二次世界大戦中に捕虜が栄養不足のために足指の痺れや足底の焼けるような痛みがある灼熱脚症候群を発症し、パントテン酸の補給で改善したという例があります。
| パントテン酸を多く含む食品は? |
多くの食品に含まれていますが、肉類、牛乳、オレンジ、大豆、ピーナッツ、バナナ、アボガドなどの含まれています。多くの食品に含まれているのですが、製造や加工、流通、調理などの過程で半分失うほど壊れやすいビタミンでもあります。

