ビタミンB6
| 発見の歴史 |
1935年ドイツのP・ジェルジーはビタミンB欠乏食で飼育したラットに見られる皮膚炎がB1やB2では治らず、酵母の抽出物を与えると治ったことから酵母に含まれる皮膚炎予防因子をビタミンB6と命名しました。
| 化学名 |
ビタミンB6は、ピリドキシン、ピリドキサル、ピリドキサミンとこれらにリン酸が結合した6種類の物質の総称です。このうち体内で働く活性型B6はピリドキサルリン酸です。
| 注目される薬理作用 |
女性が月経前に頭痛やうつ状態などの不定愁訴になやむ「月経前症候群(PMS)」にビタミンB6の大量摂取が有効といわれています。ただしピルを服用している女性はB6をはじめB2、B12、C、葉酸の吸収を阻害するので大目の服用が必要です。
| 主な生理作用 |
たんぱく質の成分であるアミノ酸の合成や分解にかかわる酵素を、ビタミンB6は補酵素として助けます。B6が不足するとアミノ酸代謝に異常が起こり、たとえばB6欠乏食で育てた蚕は繭を作れずに死んでしまったりします。
脳の神経細胞と神経細胞の間で情報の橋渡しをしている物質を神経伝達物質といいますが、神経細胞の興奮を抑制するGABA(γアミノ酪酸)と呼ばれる神経伝達物質の合成にもB6が関与しています。また、細胞とつくる、赤血球中のヘム合成にかかわったり、筋肉の働きを調整したり、免疫力を高めるといった働きなどがあります。
| 一日の所要量は? |
所要量は定められていませんが、推奨量は成人男性が1日1.4㎎、女性が1.2㎎で、妊娠中は多めに摂取する必要があります。
| 過剰症は? |
1日1gを数週間から数ヶ月間服用しても過剰症は認められません。
| 欠乏症は? |
1951年アメリカで、高温殺菌によってB6が破壊された缶入りミルクを飲んでいた300人以上の赤ちゃんがケイレン発作を起こす事件が発生しました。このケイレンはB6欠乏によって中枢神経の異常な興奮によるもので、米国食品医薬局の対応が早くB6を与えたためその後、沈静化しました。
このような特殊なケースを除けば、B6だけの欠乏症はあまり知られていませんが、B2欠乏やニコチン酸欠乏に合併して皮膚炎などを助長している可能性があります。これは、摂取したB6が活性型のピリドキサルリン酸に変わる際にB2が必要なためで、B2欠乏はB6欠乏を合併しやすくなります。また、トリプトファンというアミノ酸からニコチン酸が合成される代謝にはB6が必要で、B6欠乏はニコチン酸欠乏を助長する恐れもあります。
| B6を多く含む食品は? |
ビタミンB6を含む食品は植物性から動物性食品に広く含まれています。



