ミネラルと灰分の違い
≪ミネラルと灰分はイコールではない≫
生化学や食品化学あるいは家庭料理の本を見ると、必ず5大栄養素の話が出てきますが、この中でミネラルも5大栄養素のひとつに位置づけられています。また、いろいろな文献の中で、ミネラルのことを無機質(または鉱物質)と呼んだり、灰分と表現しているものもあります。
しかし、厳密に言うと、両者は必ずしもイコールではありません。なお、日本食品成分表では無機質の欄に8種類のミネラルと、灰分の欄に無機質の総量を記載しています。それでは無機質(mineral)と灰分(ash)とはどう違うのでしょうか?
ここで無機質とは栄養素としての無機物、つまり生体の成長や健康維持に不可欠な元素、あるいはそれらの塩のことです。また無機物とは水、空気、鉱物で作られた物質の総称です。
これに対して灰分とは動植物が完全燃焼した後に残留する不燃焼性物質、つまり金属酸化物。例えばNa2O、K2O、MgO、Fe2O3とリン(P)や硫黄(S)酸化物のことです。このように説明すると、ますますわかりにくいという人のためにもう少しやさしく表現すると、無機質は鉱物そのものであり、灰分はその酸化物といえます。
次に有機質と無機質の違いを説明しますね。
有機質は有機物を含む物質の総称であり、具体的に言うと炭素を含む化合物のことです。以前は動植物を構成する化合物は、生命活動によって作られるものと思われてきましたが、今では人為的に作られることがわかり、単なる便宜上の区別となってしまいました。なお炭素の酸化物や炭素塩などは無機物として区別されています。
ところで人や動植物の体はタンパク質や脂肪、炭水化物などで出来上がっています。この場合、炭素を含んでいるので、燃えると水と二酸化炭素の気体となり、残りは灰分ということになります。



