炊飯器に炭
≪炭とおいしいご飯の関係≫
一般に備長炭を入れて炊飯すると、ご飯がおいしく炊ける、といわれています。現にたくさんの炊飯用の炭が販売されていますよね。
これは、備長炭の働きによって、お米や水に溶け込んだ有機物や残留塩素、そのほかの不純物が除去され、さらに備長炭に含まれるカリウムやナトリウムなどの豊富なミネラル分が米の中のアミラーゼに作用し、米が膨張してふっくらするからといわれています。このため備長炭を入れて炊いたご飯は2~3日たっても黄ばむことがなく、おいしさを保ち、臭くなることもありません。
また、原材料として竹を使ったいわゆる竹炭(チクタン)もありますが、これを使えばさらにその効果は高く、おいしくご飯を炊くことができます。これは竹炭の材料となるモウソウ竹が成長するときに地中のカルシウムやナトリウム、鉄分などのミネラル分を豊富に吸収して蓄積しているため、その効果が大きいといわれています。
ただし、この場合どのような炭を入れても、おいしくなるわけではなく、備長炭か竹炭のような固い炭で、ミクロの多孔質(穴)を有し、さらにその表面積が大きいことが要求されます。
ところで炭はその昔、燃料として使われ始めたものですが、現在はその特質を生かして、燃料を始め、炭の多孔質を利用した脱臭、水質改善、吸湿剤として広く使われるようになっています。
また、変わったところでは食品や衣料品としての応用があります。これには胃腸薬をはじめ、竹炭の粉末を日本そばに混ぜた竹炭そばや練りようかんに混ぜた竹炭ようかん、あるいは、シャンプーに混ぜた炭シャンプーなどもあります。
なお、備長炭は熊野産の姥目樫(うばめがし)を原材料として作られた良質な木炭であり、その名の由来は元禄年間から紀伊の国田辺の備中屋長左衛門が販売したことからこのように呼ばれています。また、竹炭の原材料には主として日本の孟宗竹が使われています。
いずれにしても、燃料だけだった炭がこのように広く使われるようになるとは備中屋長左衛門はもとより、現在に生きる私たちも予想外だったといえますよね。



