さびと使い捨てカイロ
≪鉄さびで使い捨てカイロができている≫
物が燃えたり鉄がさびたりするのは、酸素が結合するために起こる反応であり、一般的にこの現象を酸化と言っています。また、この反応によって生じた化合物を酸化物といいます。これを原始レベルで表現すると、酸化とは、物質を構成する元素から電子を放出すること、となります。
一般に、私たちの住んでいる大気中には21%程度の酸素が含まれています。このため大気中にいろいろなものを放置すると、その大半の物質が酸化し、腐食の原因となります。したがって、食物の酸化防止策としては真空パックや不活性ガスを使った、酸素との接触をできるだけ避けるようにしています。また、刃物や工具などのさび止めには、機械油を塗りますが、これも酸素や湿気との接触を避けるために行われる処置ですよね。
ところで鉄(Fe)と酸素(O)の反応式は
Fe+O = FeO
となり、酸化第一鉄ができます。また、酸化鉄にはこのほかにFe2O3(酸化第二鉄)やFe3O4などの磁鉄鉱(磁石の原料)などもあります。一方、酸化漂白剤なるものもありますが、これは繊維中の色素を酸化作用によっては介して、脱色させる薬剤のことであり、これには過酸化水素(H2O2)や、さらし粉などがあります。
なお、ここで酸化現象を別な角度から見ると物が燃焼することと同じことがわかりますよね。例えば、紙を燃やす、灯油が燃焼する、これらの現象はすべて物の酸化現象であり、そこには必ず発熱を伴います。この作用を積極的に応用したものに「使い捨てカイロ」があります。これの仕組みは多孔質の中袋の中に鉄粉、食塩、水などを混ぜ合わせたものを入れ、さらにこの中袋を空気を遮断する外袋に入れたものです。これが使い捨てカイロ全体の仕組みです。
使い捨てカイロを使うときは外袋を破り空気中の酸素に触れさせます。つまり外袋を破ると鉄粉に空気中の酸素が結びつき(鉄が酸化、つまりさびる)発熱するわけです。



